別館オープン記念 特集

特集その2 ~娘と制服を注文してみた~

画像協力:Charlotte_y


制服注文の仕方

入学選抜試験に合格して入学手続きを開始すると、学校から様々な書類が渡される。ワクワクする瞬間だが、家庭にとっては数々の出費を強いられる季節でもある。そんな書類の中に入っている「制服注文のご案内」というような紙きれを見逃してはいけない。指定制服は期限までに注文しないと入学式に間に合わないからだ。

昨今では、制服注文の仕方が店頭以外でもインターネットでできるようになっているところも増えているので、自宅で寸法サイズを確認できればお手軽に注文できる。

 

というわけで、実際に新入学生(またはその保護者)になったつもりで、インターネットでの注文を疑似体験してみよう。なお、使用しているデータやサイトページ等はすべて実在するものであり、正式に入手したIDとパスワードで正規にログインしている。部外者が不正利用することは決してないようにお願いしたい。

 


↓届けられた箱には「毎度ありがとうございます。どうぞお早めにご着用の上、おあらためください」というステッカーが貼ってある。箱にはもともと「お手元に届き次第箱から出してご確認下さい」と小さく印刷してあるが、わざわざ大きいステッカーで掲示しないと、届いたまま放置する客も多いのだろう。入学式ぎりぎりになってクレームされても対応できないからだ。

それ以前に、入学式直前になって「制服の注文を忘れていた」という人が少なからずいるというから驚く。大学に制服があるとは夢にも思わない人が多いということなのか。



大学制服注文の疑似体験

地元で有名なお嬢様大学に合格したメグさん(仮名)は、ドキドキしながら母親と一緒に制服の注文をしようとしているところだ。

大学から送られてきた「〇〇女子大学 制服注文のご案内」の冒頭には次のような説明があった。

「御入学おめでとうございます。

〇〇女子大学では、入学式をはじめ、その後数週間のオリエンテーション期間中は制服を必ず着用することになっております。そのほか在学中も大学行事や着用が支持された場合には制服が必要です。また、制服は式典以外にも就職活動にもご利用いただけます。

早めにお申し込みくださいますよう、ご案内申し上げます。」

 

この用紙には他に、アイテム別の価格とサイズ一覧表、計測方法、着用時の注意なども記載されている。

注文方法としては制服店(三越伊勢丹百貨店)のほか、大学での指定採寸日に行くか、あるいはインターネットでも注文できるという。メグさんはわざわざ出かける必要なしと判断して、インターネットで注文することにした。母親はサイズがうまく選べるか気に掛けているが、メグさんはネットでのオンラインオーダーに慣れているので問題ないと言う。

 

用紙には制服注文のための学校専用URLが載っており、記載の専用IDとパスワードを入れるよう指示が書いてあった。

「必ず学校専用URLからアクセスしてください。学外者からの不正購入を防ぐため、アクセス後、専用ページにてご案内いたします。」


↓URLを入力してアクセスすると、次のようなページが出てきた。

「商品閲覧、ご購入に際し、対象のお客様の確認をさせていただいております。お手元に配布されているID、パスワードをご入力くださいませ。」

わぁ、何か怪しい扉を開くようで緊張するね、と母親はつぶやくが、娘のメグは手慣れたもので、淡々とIDとパスワードを打ち込んでログインする。これらのIDやパスワードは生徒固有のものではなく、全員に共通しているもののようだ。


↓確認ボタンをクリックすると、次のようなページが現れた。

「スクールユニフォーム オンラインショッピング」と書かれ、満開の桜の花の写真が気分を一層高揚させてくれる。「〇〇女子大学」と大きく書かれた文字を見ると、難関を突破したという実感がまた湧き起ってくる。

このページは注文前の注意書きとサイズの測り方が詳細に書かれていた。

サイズはだいたい把握しているので、とっとと先へ進みたいメグは、母親の制止を振り切って、一番下の「商品一覧」ボタンをクリックした。


↓制服アイテムが並ぶページが現れる。

オシャレな私服ファッションサイトをよく眺めているメグは一目見て、「地味~」と叫んでしまった。白黒の世界で、リボンもタイもない。スーツ上下とブラウスを選ぶだけだ。

ボトムスはスカートかパンツか選べるとのこと。

まずはジャケットからということで、ジャケット写真をクリックするとジャケットの注文ページに入る。


↓ジャケットの注文ページは、ワンクリックだけでサイズが選べるように数字が並んでいた。

手元の用紙のサイズ表によると、ここの制服は、7号・9号・11号のように婦人服サイズ基準で選ぶようになっていて、ジャケットの場合は袖丈のみ56cmを標準としてプラスマイナス3cmの調整ができるとのこと。メグは迷わず9号だが、袖丈をどうしようか一瞬迷う。案内には「手首が隠れる長さ」と指示されているので、手持ちのジャケットを着た印象で標準の57cmで行くことにする。

「もうこれ以上腕が長くなったりしないから、57でOKだわ」

母親が念のためジャケットの袖丈をメジャーで測って確認してくれた。

私服のショッピングサイトだと、生地の素材や裏地の有無などの説明があったり、着用写真が載っていたりするが、そんなものは一切ない。制服だからアイテムとサイズを選ぶだけだ。


↓ジャケット9号で袖丈が57cmだから、「9-57」という数字をクリックすると下に在庫ありと出て、「カートに追加」という文字が現れた。

「『在庫あり』って、無いサイズもあるってことかな?」とメグは他のサイズもクリックしてみたが、「全部『あり』じゃん!」

ずらっと並んでいる数字を見ると、下は7-53から上は21-60まである。あらためてサイズ表を見ると、胸囲で36cm、肩幅で6cmも違うのだが、試しに最大サイズをクリックしてみても値段は同じだ。

「なんだか不公平ね」とつぶやいたのはメグだけではなかろう。


↓ジャケット注文画面で、画像をクリックすると商品詳細ページが出た。といっても、前面と後面の写真、そしてまた前面。最後のは色がグレーと書いてあるので、私服商品などだと色のバリエーションを紹介するところなのだろう。この大学はグレー一色なので、選択の余地なしということだ。

「なんかちょっとフツーな制服ね~」とメグがため息をつくと、

「就職のときとかも使えていいんじゃないの?」と母親が慰める。

「いっそのこと真っ黒だったらいいのにな」とメグは文句を言う。

結局お金を出すのは親なんだが。



↓次にブラウスの注文ページに入ってみる。

ジャケット以上に地味な画面に「ふ~ッ」とメグは鼻を鳴らした。

サイズ表によると9号で胸囲96、肩幅39、袖丈56、着丈62cmなので、メグは迷わず9号を選んだ。カラーは白一色なので、選ぶ余地はない。


↓このページも「9」という数字をクリックすると「カートに追加」という文字が現れた。

メグがクリックしようとすると、母親が「2枚買っとく?」という。

「一枚でいいっしょ!?そもそも推奨品って書いてあるから、白ければなんでもいいんだと思うよ」とメグ。


↓次はスカート。

サイズ表では、9号ならウエスト64、ヒップ98で、スカート丈が標準54cmか、長くして57cmとのことだ。スカートの丈は9号以上21号まですべて同じ、54か57cmの2択になっている。メグとしては長めだとダサいので少しでも短めにしたいところだが、どのサイズも同じなら丈は54cmしかない。7号だと53cmになるが、ウエスト60cmはきついので速攻除外(笑)。


↓いつもは9号を穿いているのだで、9号かなと思いながら11号のサイズもさりげなくチェック、でも、ウエスト68cm、ヒップ102cmは身長158cmで細身のメグとしてはダボつくこと間違いなしなのでやめた!

というわけで、スカートは9号の丈54cmで「9-54」をクリックしようとしたが、ふと先輩が言っていたことを思い出した。「着席時に膝が出ない長さでないとダメ」

わぁ、それだと54cmダメじゃん。結局、母親の強い勧めもあり、泣く泣く「9-57」をクリックしてカートに入れた。たった3cm、されど3cm。長い期間着用しない制服でも、晴れの日にはお洒落にかっこよくキメたいのです。

「はぁ~、袖丈とかスカート丈とかウルサイの、高校のときと変わんないじゃん!」


↓日ごろパンツを着ることのほうが多いメグは、制服でパンツが選べるとなるとやはり気になる。これだと「座ったときに膝が出るとかでないとか関係ないし」というわけで、いちおうサイズを選んでみることにした。


↓パンツは股下の長さを68・72・76cmから選べるが、メグは不思議と足が長いので9号の76cm、つまり「9-76」を選んでみることにしてカートに入れた。

しかし、「パンツは裾が床につかないこと」という一文があったことを思い出して、ちょっとイラッとするメグだった。


↓4つのアイテムを選んでカートを覗いてみる。

「うわ、54,560円だって!」と合計金額を見てメグが叫ぶ。母親も画面をのぞき込んで、「高いね」と一言。

「これって税込みなの?」とメグもちょっと心配になる。

ちなみに表示金額はすべて税込みだが、配送料は別途660円かかる。

メグは最初、買えるものならスカートとパンツの両方を飼ってしまおうと考えていたが、わずかな回数しか着ないのにもったいないと思い、「スカートとパンツ、どっちか選べばいいらしいから」と譲歩した。いい娘である(笑)。


↓ショッピングカートのページでパンツを削除すると4万円ほどになり、制服としてなんとか納得のいく金額になった。スカートにしたのは、大学サイトの制服着用写真を見て、スカートのほうが格好良かったからだ。

ジャケットとスカートは必須アイテムで、ブラウスは推奨品だが、1枚は指定品があっても悪くないし、洗い替えが必要になったらそのときはユニクロでもいいやということになって、母親と相談のうえブラウスは1枚だけ入れることにした。

 

ところで、三越伊勢丹スクールユニフォームのサイトで注文する際は、「三越伊勢丹WEB会員」になっていなければならない。これは制服とは関係がなく、一般的なショッピング会員なので、誰でも無償で登録できる。その際に登録した住所宛てに制服を送ってほしい場合は、「会員登録のご住所に送る」をクリックすればよい。ただし、全くの第三者を届け先に指定することはできない。


↓さて購入アイテムもすべて決まり、あとは決済と配送手続きのみだ。

このページで、使用するクレジットカードの情報を入力する。カード名義は「三越伊勢丹WEB会員」登録の氏名と同じでなければならない。使用カードは一般のカードで問題ない。

このページに表示される「ご請求先」は「三越伊勢丹WEB会員」として登録したものが反映される。

今回の場合、新入学するのはメグだが、三越伊勢丹WEB会員登録は父親名義で行っていて、それでログインし、制服の注文手続きを進めてきた。当然、ここで使用するクレジットカードも父親名義だ。


↓いよいよ最後の画面である。

上で「次へ」をクリックすると、注文内容のご確認ページに入る。

依頼主・お届け先・ご請求先はすべてメグの父親、つまり男性名で、またカード名義も同じく男性名義だ。

このまま「上記に同意する」にチェックを入れれば、「注文を確定する」ボタンがアクティブになり、それをクリックすれば注文完了である。

既にお気づきの通り、この大学の制服をネットで注文する際は、新入学生を特定する番号や氏名、入学予定学科などは聞かれない。ほかの中学や高校などのネット注文サイトを見ると、多くはログインの時点で個別の番号や進学先コースなどを入力させるので、こちらは気楽である(笑)。


↓1月中に注文しても、届くのは3月中旬以降だ。大学制服は早いところでは前年の10月ごろから受け付けている。昨今の大学入試制度は多彩なので、大学側(制服店)も入試制度別に制服申し込み締め切りを細かく分けていることが多いが、これは制服受注作業が集中しないようにするためであろう。