私立女子校の真っ赤な裏地

同じ学校の制服でも、製作年度やメーカーの違いによって縫製などの仕様が微妙に異なることがある。その代表的な例が裏地である。

外見は全く同じでも、裏地の色や生地質が違っているというのはしばしば見られるが、着用する生徒にはほとんど意識されない。

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昭和の時代、学校制服はセーラー服か、濃紺のスーツタイプだった。地味な色合いの外見だが、裏地がえんじ色になっている制服も散見され、裾や袖口からときどきちらりと見えるコントラストにドキッとさせられたものだ。

大阪府の某私立女子校の制服はひと味違っていた。裏地が鮮やかな朱色で目立っていた。単なるえんじ色とは異なる、何かをアピールしてくるような強烈なインパクトを感じたものだ。

実際に手に取ってみると素材はポリエステルで、生地質的にはナイロンぽいものもあり、やはり手触りより見た目のコントラストを楽しむ制服だ。


同じ学校の同じ制服で同じデザインのものでも、採用年度やメーカーの違いによって細部が微妙に異なっている場合がある。上で紹介した学校の制服も、派手な朱色の裏地があたりまえだと思っていたが、入手したものの中に、ワインレッド色でキュプラっぽい上品な光沢生地の裏地が使われている上着があった。色合い、質感ともに学校制服とは思えない上質な裏地だ。

もしこれが朱色裏地の上着と同時期に存在していたら、生徒同士でどんな会話がされていただろうか。

「森さんの制服の裏地、きれいだよね」なんて褒められたら、この上着もさぞや誇らしい思いをしたことだろう。