ここでは学校制服や職業制服以外の女性衣類全般について考えてみる。
入手方法は、入手方法メニュページに記載の通りで、買うか貰うかだ。
昔は、お金を出して買うとなれば、新品のものを店頭で購入するしか思いつかなかった。男性が、女性の衣類を購入するというのはかなり勇気が要ったものだ。男が女物の衣類を買うとなれば、すぐに連想されるのはエッチ目的で下着を買うか、あるいは女装目的でワンピースなどを買うかだろう。
私の場合はそのいずれでもない。もっとも下着を買ったことは無いが、ブラックフォーマルウエアを買ったことはある。でも、女装目的ではない。となれば、店舗では普通の客として堂々と買えばよいではないか。そう自分に言い聞かせて売り場に行こうとするのだが、若かった私はそれが簡単ではなく、私服を店頭で買えるようになったのはもう少し年を取ってからだった。
<カタログショッピング>
自分でクレジットカードを持てるようになると、カタログショッピングが身近な存在になる。もっとも、カードがなくても銀行振り込みやコンビニ払いなどで決済は可能だ。
カタログショッピングは、ネットが普及した現在でも存在しており、美しい女性たちがワンピースやスカートを颯爽と着こなしている写真は目の保養になる。現在の流行の最先端の衣類が購入できるという点でも利用価値がある。
デメリットとしては、実物を見て購入しないので、当たり外れが大きいということだ。私の場合は生地質、特に裏地の質感が重要なのだが、商品説明や写真では限界がある。
初期のころは、商品説明も読みこなせず、総裏のジャケットが欲しかったのに背抜きだったり、そもそも説明が不十分で、裏地が極端に短いスカートが届いたりしたこともあった。
また、キュプラの裏地と書かれていたので、しっとりツヤツヤ生地を期待していたら、実物はマットなざらつきのある裏地だったということもあった。
そんなわけで、商品の見極めが難しいカタログショッピングで無駄遣いするのはだんだんやめるようになっていった。
<リサイクルショップ>
イケイケどんどんだった日本の経済成長も落ち着いたころだろうか、限りある資源の有効活用を叫ばれるようになり、それまで燃えるゴミとして焼却処分されるしかなかった衣類たちにも、救いの手が差し伸べられるようになった。
昔はセカンドハンドの衣類は古着と呼ばれていたのだが、中古衣類は必ずしも使い古された衣類ばかりを指すものではない。1回しか袖を通していないとか、試着だけとか、あるいは購入して新品のままタンスの肥やしだったというものも多い。そもそも日本では、何度も着た衣類だってまだまだ奇麗なものも少なくない。
そうしたものがリサイクルショップで販売されている。リサイクルショップというと、家電製品やら家具やら様々な品々が売られている片隅で衣類も売られているという店舗と、衣類だけに特化している店舗がある。私は後者をリサイクルブティックと呼ぶことがあるが、中古衣類店のなかには、高級ブランドのみを扱っていて、その価格も中古でも数万円以上というところがあるので、むしろそうした店舗をブティックと呼ぶほうがふさわしいのかもしれない。
リサイクルショップへは、一般家庭で使われた衣類を個人が持ち込んで買取依頼する。その多くは、重厚なコートでも涼やかなブラウスでもまとめてキログラム当たりいくらと値付けされるので、大きなゴミ袋1個を持ち込んでも数百円にしかならないことがある。
ショップでは、査定と称して、テーブルの上に持ち込まれた衣類をさっと広げてランクを決めていく。そのまますぐに店頭に出して再販できるもの、季節が変わったら店頭に出せるもの、海外市場へ送るもの、原料用にリサイクル工場へ送るものなどを見極めて、それぞれのかごに放り込んでいく。衣類たちにとっては運命の分かれ道だというのに、その判断は一瞬だ。
学校制服や体操服など、買い取り不可としているものは返却されるが、セーラー服など明らかに制服と分かるものは戻されるものの、昨今のおしゃれな制服の中には、そのままスーツとして買い取られるものもある。私は、某地方都市のショップで、地元の学校制服を見つけたことがあるが、全国的にも有名な私立女子高のものだったのに、店員は気付かなかったのだろう。というか、一般人は学校制服のデザインなどにはさほど執着していないんだなと悟った瞬間だった。
こうしたショップでは、ありとあらゆる女性衣類が手に入る。無いものといえば、使用済みの下着ぐらいだ。和服のほか、チャイナドレスや韓国朝鮮の民族衣装って並んでいる。相当価値のあるものでも二束三文だったりするので、お宝探し的な感覚て覗いてみるのも楽しい。
全国規模でフランチャイズ経営店舗を展開する衣類専門のリサイクル店の一例。
キングファミリー
https://www.kingfamily.co.jp/
上で少し述べた高級ブランドを扱うショップでは、事情が少し異なる。新品価格で数十万円、ときには100万円を超える洋服が存在していることに驚くが、そういうものが中古衣類として持ち込まれ、1点1点吟味されて査定される。昔は質店(しちてん)がそういうものを請け負っていたルートだ。今でも金融質流れ品(しちながれひん)として販売されているが、似たようなものだ。ただ、以前は少々暗いイメージだったが、今はあっさりしている。
セレブが道楽で1回袖を通しただけで手放したものもあれば、遊ぶ金ほしさに持ち込まれるものもある。客に買ってもらったものをすぐに売りとばすキャバ嬢も多いらしい。そういう衣類は、お金とイコールにしか見られていないようで悲しい。
<フリーマーケット>
ここでいうフリーマーケット、略してフリマとは、休日に公園や駐車場などで開催される対面型のイベントのことを指す。業者が出品していることもあるが、個人が出している店のほうがおもしろい。出品者本人か、その家族などが実際に使っていたものが出品されているて、衣類なら、着用者本人が店番をしていたりする。
対面型なので、男性が女性の衣類を、しかも、着用者の前で物色するのは勇気がいることだが、出品者も売り切りたい気持ちが強く、特に訝られることもない。自分の年齢に応じて、カノジョに、とか、妻に、妹に、母に、などと優しい男を演じるだけでよいのだ。
すてきな衣類を見つけたら、どうして売っちゃうの?と聞いてみるのも面白い。手放す様々な理由が聞ける。どんなふうに着ていたのとか、コーディネートの仕方とかも聞きながらまとめ買いして安く値切る。最後に記念にと言って、出品者女性の写真を撮っておけば、帰ってからも色々楽しめるだろう。ジャケットやコートの類ならば、出品者に羽織ってもらって写真を撮るのも良いだろう。着用イメージを写メでカノジョに送ってみるとかなんて、言い訳は何とでもなる。
<インターネット>
私が大人になってからインターネットが普及したのは、神の思し召しとしか思えない。幼少のころから若いころまで、ひたすら女性衣類のことを想い続けていたものの、それらを手に取って愛でるなんてことはほぼ叶わない夢だった。それがインターネットのおかげで、あるとあらゆる女性衣類が比較的容易に入手できるようになったのだ。
私の場合、最初はヤフーオークション(ヤフオク)をよく利用していた。出品者に質問もできるので、そのやり取りも楽しむことができる。ただし、あまりプライベートに踏み込むような内容は避けるべきだ。
その後、楽天系の楽天オークションなどネットオークションサイトがいくつもできて購入ルートの幅が広がったが、ほとんどが経営に失敗し、現在では総合オークションサイトとしては、結局ヤフオクの一人勝ち状態になっている。
オークションサイト以外で注目したいのは、ネットフリマだ。
これもいくつか種類があるが、総合サイトの大手はメルカリ(Mercari)とラクマだろう。ラクマは、フリルを前身とし、たしか楽天オークションが廃止になった頃にラクマとして誕生した。メルカリとラクマは、私の中ではネットフリマの双璧でよく見ているが、メルカリのほうが出品商品の数やバリエーションははるかに多いようだ。
これらフリマサイトの良いところは、価格交渉の余地があることだろう。特に中古衣類だと、物によっては出品者本人が商品価値に気付かず、相場よりかなり安い金額で入手できたりする。
逆にデメリットとしては、少々高値になっても入手したいものがあっても、先着順で販売されることが多く、出品に気付くのが遅れると悔しい思いをする。
もうひとつ、インターネット取引でよい点は、家族に知られることなく宅配便を受け取るすべがあることだ。日時指定を活用して家族がいない時間帯を指定したり、郵便局留めやセンター(営業所)止めやコンビニ受け取りなども利用できる。
ネット上で荷物がどこにあるのか追跡できるし、日時や配達先変更などもスマホで簡単にできてしまう。
衣類たちに長旅させるのは少々辛いが、梱包を開けるときのドキドキ感は何度味わっても良いものだ。
注意点としては、日時指定していても30分ぐらい早く届けられることもあるので、家族を避けるためにタイトなスケジュールを組むと痛い目に遭うかもしれない。また、クロネコ宅急便などでは、営業所に到着しているのに何日も受け取りに行かなければ、伝票に記載されている電話番号に催促の電話が掛かってくることがある。当然、携帯電話の番号にしているはずだが、電話を受ける時と場所によっては訝られるので注意しよう。
また、同じゆうパックやクロネコ宅急便でも、出品サイトと提携しているもの(ヤフオクゆうパックお手軽便やメルカリゆうゆう便など)は日時指定ができなかったりするので、発送方法をよく確認してから購入する。
<譲渡>
着用目的での譲渡は親子間や姉妹間などの家族・親戚でのやり取りのほか、友人同士などがある。災害支援などの寄付も含まれる。
私のような、着用目的ではない場合に考えられることは、後輩や友人からもらい受けることだろう。たとえば、高校卒業時に同級生から記念にもらったりというパターンだ。
付き合いのあった女性からもらったりすることもあったが、預かったまま返さずにそのままになっているというのは、純粋な所有権は移転していないので、譲渡とは言えない。
<拾得>
別項でも書いたが、ゴミ集積所などに捨てられているものであっても、勝手に持ち帰ることはできない。刑法254条に「遺失物、漂流物その他占有を離れた他人の物を横領した者は、1年以下の懲役又は10万円以下の罰金若しくは科料に処する」という規定により、許可なく持ち帰ってしまうと、遺失物等横領罪(占有離脱物横領罪)に問われることがある。場所によっては、窃盗罪になることもあるので注意しよう。
かく言う私も、拾得したことは一切ないと言うとウソになる。もうずいぶん昔の話で時効ということで告白するが、ゴミ捨て場には様々な女性衣類が様々な形で遺棄されていて、どれを見てもみな可哀想なのである。このまま放置すると焼却炉行きになるのかと思うと、わずかでも救出したくなるのだ。そんなわけで数は多くないが、制服のほか、私服のスカートやスーツ、コート、ワンピースなどを救出した経験がある。
<レンタル>
女性衣類を自分のためにレンタルした経験は私にはない。フォーマルウエアのみならず、様々な衣類がレンタルできる世の中になったが、借りてきたとしても、そのまま返却する自信がない。
レンタルされる衣類は、どれもよく手入れされているが、何人もの女性に袖を通されて疲弊しているはずである。それも一人の女性ではなく、年齢も個性も背景も異なるのだ。当然、着方や扱い方も様々だろう。そんな衣類を手にしたら、もう救出せざるを得なくなると思う。果たして、女性に着られるべき衣類が、私の下に囲われて幸せなのかどうかは別の問題だ。
厳密な意味での有償レンタルとは違うかもしれないが、旅館に置いてある浴衣や羽織に反応したことがあった。どれも激しいローテーションで使いまわされ、けっこう酷使されるものだ。特に、某旅館の羽織は男女兼用で、裏地にツルツルの生地が使われていて、とても肌触りが良いものだった。ほかの客を見ていると、そんな素敵な羽織なのに適当に投げ出したり、引き摺ったりとまるで思いやりがない。哀れで堪らなく、滞在中はずっと可愛がってやっていた。
旅館というと、ホテルのベッドカバーやフットスロー、部屋のカーテンまでも、私好みのつるつる生地の場合は特に、同じように感情移入することがある。みな物言わず懸命に尽くしているのに、誰にも有難がられずに堪えている。そんなものたちを見ていると可哀想で堪らなくなってくる。
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最終更新日:2024年11月12日
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