長期不動在庫廃却

企業や商店などで保有する棚卸資産(販売目的の商品や製品・原材料・仕掛品)のうち、商品や製品で値引きしてもどうしても売り切ることができない不動在庫は、税務対策として廃却(廃棄)されることがある。

たいていは廃棄業者に引き取られていくが、自前で廃却処分することも可能である。その場合は、必要な書類とともに、廃却前後の写真撮影も行う。

何度か立ち会ったことがあるが、まず袋に入れられた商品が引きずり出されて、広げられた姿の写真を1枚撮る。

次に、ハサミを入れたり引き裂いている途中の写真を1枚。

最後に、もう2度と使えなくなった姿を1枚撮るのである。

 

長いあいだ眠っていた商品たちは、いきなり引きずり出されて、ズタズタにされてしまうのだから、まったく意味不明だろう。しかもその惨めな姿をいちいち写真に収められるのだ。

2度と使えなくなった商品たちは当然ゴミである。生まれてきた使命も果たせなかった、惨めな最期だ。