久しぶりの制服

中学時代の制服が出てきた

学校を卒業してしばらく経つ女性が、何かのきっかけで母校の制服を着るという機会がある。ネット上では、さまざまな年齢の女性が、昔の制服に袖を通して撮った写真を公開している。そんな制服を見ると、よくぞ捨てないで保存していてくれたと喝采を送りたくなる。

シワシワになっていない制服が多いのを見ると、比較的丁寧に保管されていたのだろう。制服たちも久しぶりに袖を通してもらって、肌のぬくもりを感じて喜んでいるかのようだ。

果たして、問題はこの後で、これら制服が元通りに片付けてもらえたかどうか。中には、記念写真を撮ったので処分、バイバイというものもあるから油断はできない。


↓「中学時代の制服が出てきた。

色々、色んな意味でキツかったけど着れたので喜んでいる四捨五入30歳。

この髪色で制服きたらヤンキーや。」

長い間、よくぞ制服をキープしていてくれたと感動する。中学校の制服も久しぶりに人肌のぬくもりを感じることができて嬉しそうだ。

出典・画像:Twitter @fm1Yukey


↓「実家に帰ったつれづれに中学生時代の制服を着てみました。」

ブログ掲載時点で31歳ぐらいの女性だが、ブログによると高校時代の制服もまだおいてあるようだ。ただし、ボタンをすべて後輩にあげたので着られないとのこと。ブレザー制服なのだろうけど、ボタンをむしり取られた状態で10年以上も放置されているなんて、可哀想な上着である。

同時に試着した弟の学ランは実家から持ち帰っているらしく、想像するに彼女の制服たちはそのまま実家にキープされた模様。

出典・画像:JET LAND PORCA


高校の制服が出てきた

着用写真が無くても、久しぶりに制服を引っ張り出してきて、制服写真を撮っているケースもある。そんな写真を掲載しているブログには、制服やそれにまつわる思い出などをひとしきり語っている。制服に関心を示してくれるのは嬉しい。

 

下の写真はブログに掲載されているもので、高校名は伏せられているが、都立白鴎高校のものだ。ブログ記事にもあるが、元々黒いテープラインだったものが変色してしまっている。それでもクリーニングして大切に保管されていたようで、上着に水平方向の折跡が見える。丁寧に畳まれていたものと分かる。

久しぶりに広げられた制服も嬉しそうだ。

記事には、袖を通してみたとあるが、肌のぬくもりも感じたことだろう。

このようなブログ記事には、そのあと処分する話が出てくることがあるが、この制服は無事に片付けてもらえただろうか?

↓何十年もたって出てきた高校制服を紹介してくれているが、ブログには当時から上着はダサいと思っていたとある。一方で、Vネックのジャンスカはカッコよいとも。


長期在庫品のレトロ制服

何十年も前に製造販売されたと思われる衣類が、新品未使用のまま在庫となっている例は少なくないようだ。私服ならば値下げして捌こうとするが、制服の場合は次回の需要期に持ち越しとなることが多いだろう。しかし、やがてモデルチェンジしたり、古びてきたりして売り物にならなくなると、長期不動在庫となり、店舗にとってはお荷物となる。会計上の処理で廃却処分にされることもあるが、どのような理由からか、生き延びてきた制服もあるのだ。

そんな制服が、ネット上で取引されることがある。昔だったらお金にはならなかったものが、いくらかでも価値を見出されるのだから、制服としては嬉しいだろう。

しかし、勘違いしてはいけない。この手の売買で行きつく先では、まともな用途は期待できない。良くてヌイグルミの衣装か、演劇衣装、運が悪ければ・・・。長い年月を生き延びてきたのに、ようやく陽の目を見たと思ったら地獄。それはあんまりだ。

特に新品未使用品は、一度も女子生徒に袖を通してもらえなかったわけで、肌のぬくもりを知ることもなく、制服としての役に立つこともないまま、凌辱を受けて果てていくことになる。


↓仕付け糸が付いたまま何十年も眠っていた在庫の制服は肌のぬくもりを知らない。生地の劣化や変色がなければよいが、物によってはもう着られない状態の場合もある。

↓化粧箱やタグもそのまま残っている。もう新入生に着てもらえることはほぼ確実にないだろう。

画像(上2点):ヤフオク rosenote55