スケバン

スケバン(女番長)は、中学校や高校で不良行為をする女子生徒の中で、番長的な存在を指す。最近ではもう死語かもしれない。

昔のスケバンといえば、地面を引きずるほどの長さのスカートを穿いていなければならない。スケバンひとりのスカートから、まじめな生徒二人分のスカートが作れるほどだ。実際の昭和の時代にはそこまで極端な例は探すのが難しかったが、それでも足首に近い長さのスカート丈はしばしば存在していた。

ロング丈スカートも基本的には真ん中らへん、お尻のあたりに集中してテカリが出るが、本物の不良女子たちは先輩から制服を譲り受けるので、代々使い込まれると生地全体にテカリが出てくる。匂ってきそうなほどくたびれた生地たっぷりのロングスカートは圧巻である。

セーラー服の丈を短くしている子もいた。そしてなぜかセーラー服の袖を捲り上げる。裏地がモロ見えでキュンとする。ときにはセーラー服に刺繍を入れたりし、ぺしゃんこの学生鞄を持ち歩いていたのだった。スカーフは付けたり付けなかったり。

 

さんざん改造されたセーラー服や地面を引きずるスカートは哀れだったが、最近の不良女子生徒はといえば、スカートの丈は逆に短くしているようだ。それも、丈が短すぎてスカートの意味がないほどだ。スカートが軽視されているようで惨めに見える。

短い丈のスカートはチェック柄のスカートに多く、上はブレザーだ。ブレザーの丈が詰められることはほとんどないようだが、歩くときにポケットに手を突っ込んでいて、ポケットが今にも千切れそうになっていたりする。

ふと考えてみたら、もしチェックスカートをロングにしたら、ふつうの私服にしか見えず、短くすることに意味があるのかもしれない。

いずれも、不良に着られる制服は大変だ。

というか、「不良」という言葉ももはや死語かもしれない。

↓下の画像は典型的なスケバン像だが、ここまで極端なものは珍しく、ドラマや映画のために作られたイメージだろう。

セーラー服でスカートを極端に短くしたら単にエロいだけで迫力がない。一方、ブレザーでチェック柄スカートを極端に長くしたら普通の私服にしか見えない。少女たちはそれぞれの時代でうまく考えたものである。