別館オープン記念 特集

特集その3 ~すっかり裏返してみた~

画像協力:Charlotte_y


福岡市立金武中学校

ヒロミチナカノブランドの学校制服には大いに関心を寄せている。裏地が光沢の強いサテン生地で、学校制服に付けるには贅沢すぎるからだ。小さな地模様が入っているが、見た目の光沢感も肌触りも本来、学校制服に付けるべきものではないと思われるほど素晴らしい生地だ。


目黒星美小学校

小学生が着るジャンパースカートは小さくてとてもかわいい。裏返すと、中高校生用と同じように裏地が付けられている。制服スカートを裏返すと、裏地がないものはポケットがむき出しになる。そんなポケットの生地がだらしなく垂れ下がる様子になぜかキュンとなる。ふだんは隠されているものがさらされて恥ずかしそうにしているせいだろうか。


SweetTeenブレザー&スカート

SweetTeenは、制服が指定されていない学校へ通う生徒が使う例が多いブランドだ。学校制服のスカートには裏地がないものが多いが、裏地付きのスカートが毎日のように着倒されると、裏地はすぐに縮み上がってしまう。制服スカートは、おしゃれな子でもプリーツを整えることに夢中で、裏地の座りジワは放置されがちになる。


エルメス乗馬服

騎手の動きに合わせてちらちら見える赤い裏地がそそる。30万円ほどする高級ブランドの乗馬服も、乗馬というスポーツのウエアにすぎない。屋外で馬と過ごせば様々な汚れが付く。裏地は汗ジミだらけになる。動物の匂いに慣れなければ、乗馬服として生き残れない。


法政女子高校

今は共学になり法政国際高校と名称変更した。この制服は今も根強い人気があるが、同じ外観でも裏地に若干の違いがある。写真の制服は濃紺の表地に対して、黒い裏地が付いている。本来は表地と同じ色合いの紺色の裏地が主流だ。女子生徒にとっては裏地の色なんて、どうでもよいことだと思うが。


聖心女子大学

聖心女子大学は入学後1ヶ月ほど制服着用の義務がある。逆に言えば、わざわざ新調したのにたったそれだけ。次に着るのは卒業式ぐらいだ。しかし、短期間の着用でも、スカートの裏地にはしっかり座りジワが付いてしまう。

ダークグレースーツの裏地は明るいシルバーグレーというコントラストだ。残念ながらモデルチェンジし、次の3代目制服の裏地は黒っぽい色になってしまった。


大阪教育大学附属天王寺

濃紺制服の裏地は、コントラスト衣類の場合は赤かえんじ色が多いのだが、この制服は白っぽいグレーという珍しいパターンだ。つるつるの光沢があるので、光の具合によってはシルバーにも見える。


武庫川女子大学

表地と裏地の色合いが極端に異なるコントラスト衣類が好きな私だが、黒いスーツから黒いツヤツヤ裏地が覗いているというのもなぜかそそる。黒い表地には黒い裏地という想定通りの展開にホッとするのかもしれない。画像の制服は2代目の旧制服だが、3代目現行制服のジャケット裏地は背抜きになっていて、ちょっと残念だ。


ユナイテッド航空CA

航空会社のキャビンアテンダント(客室乗務員)の制服でワンピースを採用している例は多い。米国ユナイテッド航空のワンピースには、袖以外のすべてに裏地が有る。大柄な米国人の激しい動きに翻弄され、ケツのあたりを中心に裏地のあちこちの縫い目が引っ張られて伸びている。


華屋与兵衛ウエイトレス

ファミレスのひとつ華屋与兵衛のウエイトレス制服だったワンピースは、下半身にのみ裏地が付いている。足さばきだけを考えてコストダウンを図ったのだろうか。ウエイトレスにはあまり腰掛ける暇はないと思うのだが、この制服は裏地の座りジワがひどい。


ホテルレストランウエイトレス

ファミレス華屋与兵衛の制服とは異なり、こちらのウエイトレス制服は袖以外、上から下まで裏地が付いている。上身頃にも裏地が有ると着心地が良くなると思う。ウエイトレスがつけるエプロンは制服以上に消耗品だ。


追手門小学校コート

表地が濃紺といういかにも制服という色合いに対し、裏地が赤い生地でできている、いわゆるコントラスト衣類だが、小学校制服コートに、こんな配慮が必要なのだろうかといつも思う。深読みすると、表か裏か分からない生徒がいるので、コートには表裏があるんですよという教育の一環なのかもしれない。たしかにぐしゃぐしゃに脱ぎ置かれたコートにとっては一目瞭然ではある。


チャイナドレス

チャイナドレスで長袖というのは珍しい部類に入り、また、裏地が付いているものも多くはない。なので、長袖で袖まですっかり裏地付きというチャイナドレスは貴重品だと言えよう。さらに、つるつる裏地の物はもっと稀だと思う。ふつうチャイナドレスはそのまま愛でるものだが、これは裏返しにしたほうが萌えそうだ。


京都ノートルダム女学院スクールコート

京都の冬は寒い。女子高生も厚手のウールコートで通学したくなる。私立校ではもちろん制服以外に指定のロングコートも用意していて、生徒たちは高いお金を出して買わなければならない。有名なミッションスクールの指定コートはとても重厚で造りもよく、生地も上質だ。

もともと制服自体がブラウン系なので、コートもそれに倣ってこのような色合いになっているのだろう。裏地もブラウン系だが、シルバーゴールドと呼ぶべきか、つやつやの輝きがあって、生徒の制服を包むにはじゅうぶん優しいと思われる生地が張られている。


サテンドット柄ワンピース

一般的な私服にももちろん裏地付きのものがある。ただ、写真で見ると光沢が美しいが、生地に伸縮性があったりすると、なぜか興味が半減する。


水色裏地スカート

 表地に対して色合いの違う派手な裏地を付ける意味が、スカートにあるのだろうか。スリットの無いスカートが裏地をちょい見せするには捲りあげられるしかないというのに。

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マーチングバンドユニフォーム

主に屋外で着用されるマーチングバンドユニフォームは、過酷な環境で酷使される制服だ。季節に関係なく同じものを着るので、しっかりした裏地が付いているため、夏は汗だくになる。その証拠に脇や背中には黄色いシミができているものが多い。炎天下では制服もじりじりと日に焼かれる。滴り落ちる汗を拭くこともできず、すべて制服に浸みこんでいく。クリーニングは頻繁でないので不潔だ。

写真の制服は、米国で軍服なども作っている老舗メーカー製で、表も裏もしっかりした生地でできている。ボタンも金属の玉で全体がずっしり重い。使い込まれてシミだらけだが、表地の生地の風合いと裏地の光沢がキープされているのはさすがだ。なお、スカートはウエストまわりのみ上着と同じ生地の裏地が付いている。


企業事務服

企業事務員の制服は、接客業でない限りモデルチェンジは頻繁に行われない。長く勤務している女性社員はひとつの制服を何年も着ることになる。制服にとっては長いあいだ使ってもらえるのは幸せなことかもしれないが、さすがに10年以上も酷使されると表はツルテカ、裏は擦り切れが目立つ。クリーニング代が自前となれば、メンテもおろそかになり、臭ってきそうなほど使い込まれた制服も平気で着続けられる。

いつも思うのだが、この手の制服では、スカートの尻部分の消耗は分かるが、ベストの前部分も汚れやテカリが集中して付いていることが多い。デスクに擦られるせいだろうか?