海外学校制服事情

韓国校服(レトロ制服)

韓国のレトロな高校制服。韓国ドラマ『冬のソナタ』(2002年、KBS2)でヒロインのユジンが着ていたタイプである。ドラマでは、高校時代の時代設定は1990年代になっているので、少なくともそのころまではポピュラーな制服だったのだろう。

同じく韓国ドラマで、朝鮮戦争(1950-53年)を描いた『ロードナンバーワン』にも、このタイプの制服を着た女子学生が登場する。

 

大きな白い襟は上着に縫い付けられていて、ブラウスなどは着用しない。ドラマ『ロードナンバーワン』では、このタイプの制服を女生徒が脱がされるシーンがあるが、上着の下には下着を着ている様子が映っていた。

胸には名札が縫い付けられている。

スカートはプリーツのないフレアで大きく広がる。写真のスカートには裏地がある。

 

韓国の順天(スンチョン)ドラマ撮影場(순천 드라마촬영장)では、こうした制服の時間制レンタルサービスがあり、着用して場内で過ごすことができる。

 

現代の韓国の学校制服はブレザータイプが主流だが、日本に比べると上着のシルエットはかなりタイトで、着丈も短めである。また、スカートもたけは短めで、プリーツの本数も少ないものが多く、タイトスカートも存在する。

裏地は、冬服の上着に付いていることはもちろん、スカートにも付いてることがほとんどだ。特に上着の裏地は様々な柄入りのものも少なくなく、日本に比べて非常に派手な仕様である。

 

かつて韓国では、卒業式の直後に、制服を着たまま小麦粉を投げあったり、制服を切り裂いたりする習慣のある学校もあったが、あまりに過激になりすぎて批判が出たため、近年は自粛されている。


↓韓国ではクラシックなタイプに分類される学校制服である。現在でも、同じようなシルエットのデザインはわずかに残っているようだ。

上衣がタイトで、下衣がふわっと膨らんだスカートは、民族衣装であるチマチョゴリのシルエットを踏襲しているようにも見える。

↓上着の着丈は袖に比べてやや短めで、ウエストが絞られたデザインである。着丈が短く、ウエストがタイトなのは、現在主流の制服ブレザーにも受け継がれている。


↓スカートは、プリーツがなく、生地が多めのフレアになっているところが可愛らしい。

左胸には、ハングルで氏名が掛かれた布が縫い付けられている。学籍番号が付いていることもある。

↓上着はもちろん総裏だが、スカートにもたっぷり裏地が付けられているのが特徴的だ。現代でも韓国の学校制服には、ほとんどのスカートに裏地が付いている点で日本と異なる。気候の違いのせいだろうか?


↓シンプルで大きな白襟が、特に年配の韓国人の郷愁を誘う。

↓一見するとブラウスを重ねているようだが、実は上着に縫い付けられて一体化している。

このタイプの制服は、中にブラウスなどは着用しない。



↓韓国のGmarketというサイトで販売されていた制服。価格は220,000ウオン。

画像:Gmarket


韓国校服(現代制服)

↓現在主流の韓国制服は、上着の着丈がかなり短く、キツそうにも見えるフィット感も特徴的だ。それにしても、雑に扱われている制服たちにハラハラする。


韓国 某中学 制服1

最近、ネトオクで韓国の学校制服が投げ売りされているのをよく目にする。はるばる日本まで連れて来られて売りさばかれる制服たちが哀れで堪らない。購入者が何に使うのかは想像に難くない。

↓韓国のブレザーは着丈が短く、ボディラインにぴったり沿わせたシルエットが特徴だ。

↓使い古された制服にテカリが出るのは日本と共通している(笑)。

↓どこの学校の制服も裏地がコントラストどころか、派手な柄入りであることが多い。

↓スカートはミニ丈であることが多く、フレアも珍しくない。むしろ日本のようにプリーツが多いスカートのほうが稀だ。韓国にも校則があって、これでもスカート丈には厳しいようだ。

↓スカートに裏地が付いていることはほぼ当たり前で、派手な色合いのものも珍しくない。使い込まれたスカート裏地に座りジワができるのは、日本と同じだ(笑)。

↓ボタンもやや派手な印象だ。

画像:制服市場 いふりーと改


韓国 某中学 制服2

画像:制服市場 いふりーと改


香港九龍真光中学 制服

香港が中国に返還される前から、学校制服にチャイナドレスタイプの制服があった。ほとんどの学校が英国風のブレザーやワンピースなどを採用する中で、民族衣装タイプは貴重である。

生地質は、日本の学校制服の夏服と同じような素材で、裏地は付いていない。両側の裾には短いスリットが入っている。

着脱は一般的なチャイナドレスと同様で、胸元からサイドに開く。



香港保良局百周年紀念中学 制服(夏季)

香港保良局は慈善団体で、複数の学校を運営している。写真の制服はそうした学校のうちのひとつだ。ほかに保良局と冠した中学がいくつかあるが、いずれの制服もデザインは共通しており、胸のエンブレムが学校名を示す。エンブレムがあると元英国植民地の香港らしさが感じられる。

夏季制服はワンピースタイプで、着脱は背中のジッパーによる。スカート部は前後ボックスプリーツになっている。ベルトはゴムビニール製で、ネクタイはワンタッチタイプだ。

 

 

東南アジアでは、真っ白なワンピースタイプの制服が多く見られるのが、個人的にはかなり羨ましい。なお、香港の冬季は意外と冷えることがあるので、ブレザー付きの冬季校服(制服冬服)も用意されている。

 

ワンピースタイプの女子制服は、香港のほか、多くのアジア圏で採用されている。しかも、夏季の気候を考慮してか、真っ白い生地のものも多い。白生地の材質は、日本の学校制服の夏服とほぼ同じものである。また、白色の制服のほか、同素材で青色または水色のものも多く見られるのも特徴的である。いずれも裏地は付いていない。

 

香港十大特色女生校服

https://today.line.me/hk/v2/article/nOBNmy


女生校裙:連衣裙,連校章,背後有拉鍊,紅色膠腰帶及紅白色格仔領呔。


ベトナム 白いアオザイの制服

ベトナムで若い娘が白一色のアオザイを着ていたら、それは女子中高生の制服である。さらっとした生地でできたアオザイの裾を優雅に翻している姿は、必ず二度見する。

上下共に真っ白なので汚れやすく、近くで見ると裾を中心にあちこち黒ずんだりしているが、それでも彼女たちはところ構わずにしゃがんだりしている。暑い気候ゆえに脇や襟も汗染みがあったりするが、あまり気にしないようだ。家庭ではじゃぶじゃぶ丸洗いしている。

着用している本人たちは、現地日刊紙のアンケートによると、「動きにくい」とか、「化繊中心なので汗や雨に濡れるとべとつく」とか、「安いものではないので経済的に負担」とか、あまり評判は良くないらしい。しかし、民族の象徴であり、見栄えも良いという理由でかろうじて制服として使われ続けているようだ。

若いうちから民族衣装に慣れ親しんでおくと、着方や扱い方、マナーなどを学ぶことになり、将来にわたってアオザイを大切にすることに繋がると思う。そのためには、何枚もの制服アオザイが犠牲になるのも仕方が無いことなのかもしれない。

 

http://j.people.com.cn/2005/09/29/print20050929_53929.html

画像:Japanese.CHINA.org

画像:4travel.jp


タイ コーンケーン大学 看護学部 Khon Kaen Univ.

看護師になるためのコーンケーン大学のコースの実習服は、ブルーのワンピースに、プリーツが入った白いエプロンを着けている。その向きのフェチにとっては堪らない可愛らしさかもしれないが(笑)、看護師の制服はほとんど消耗品扱いで過酷な世界である。日本でも同じだが、後輩へのお下がりも多く存在する。

 

なお、タイの大学には制服(通学服)が指定されているところも多く、この大学では白いブラウスに細かなプリーツのスカートを着用している。タイの大学制服ではかなりタイトな形状のスカートが多い中では、このようなスカートは珍しいと言える。

この女子学生(Paveerisa Intharapimちゃん)のスカート丈は、他の学生に比べると長めのようだ。

 

画像:Instagram-viwpaveerisa

ちなみに、この女子学生が在籍していた公立ワットクラン高校生時代の制服姿もInstagramにアップされていたが、こちらは日本の制服にも似たスタイルで、ブラウスにプリーツスカートだ。黒いベルトが誇らしげに締められているのはやや違和感があるが。高校生のときも、この学生はスカート丈を長めにしていたようだ。

南国での制服ブラウスはすぐに汗だくになるので、何枚も予備を持っているように思われがちだが、我々が思うより意外と少ない。ささっと洗濯して干しておけばすぐに乾いてしまう。昨日着ていたものも翌朝には乾いていたりするので、そのまま学校へ着用していけるのだ。

スカートも同じで、1枚しか持っていないという子も多い。それゆえ使い込まれる度合いはハンパなものではない。

このスカートも生地質の故なのか、扱いが雑だからなのか、かなり使い込まれていてテカリも酷いように見える。他の写真を見ると、地面に座り込んだり寝そべったりもしているので、適当な着用の仕方はお国柄なのだろうか。洗濯機でジャブジャブ洗っていると思われる。洗濯した後は、生地が手駆るのもお構いなしに強くアイロンがけしてしまうのであろうか、スカートには人工的なテカリもあちこちに見える。海外の制服はタフでなければ生き残れない。


タイ ポロマラジョナニ看護大学 卒業式

タイの看護師養成大学では、卒業式に黒いケープ(マント)を羽織るのが慣例になっている。こうしたナースケープはもともと欧米の従軍看護師が制服の上に纏っていたらしいが、タイではこれを踏襲したのだろうか。

黒いケープの裏側には真っ赤なつるつる裏地が付いていて、見逃せないアイテムである。右側をはだけて留めているので、裏地が思い切りさらされる。


タイ 聖テレサ国際大学 看護学部 卒業式

タイの看護学校卒業式で使用されるナースケープは、黒い裏地に真っ赤な裏地が付いているものだけかと思っていたが、このようにきれいな水色のものもあるらしい。


ロシア

ロシアで学校制服と言えば、黒いワンピースに白いエプロンというメイドっぽい姿を思い浮かべるが、それだけではない。

ロシアの制服に関する動画を集めてみた。

↓完璧な学校制服を選ぶための10の法則

↓学校制服2018-2019 店舗の品揃えと価格

↓コロナ禍による制服の過剰在庫

↓スクールユニフォームショー2017

↓制服導入の歴史

↓制服縫製会社の損失


その他 海外学校生徒

併設のブログにも、一部海外の学校生徒を紹介している。