ゾンビパーティ(Zombie Party)

ゾンビ(Zombie)とは、死体のまま蘇った人間の総称である。生ける死体とも呼ばれるが、昨今では映画やゲームで広く知られる。墓場から蘇った人間という設定が多いため、見につけている衣類もボロボロに朽ちていたり、泥や血にまみれていたりする。

Halloweenの時期などを中心に、そのようなゾンビの扮装で集まってパーティを開こうというイベントがしばしば行われており、参加者はゾンビをリアルに再現しようと、衣装やメイクアップに凝る。

その結果として、新品や中古の衣類が犠牲になるのである。つまり、まともに着られる状態の衣類をわざと汚したり、切り裂いたりして、ゾンビが着用するにふさわしい衣装を作るのだ。

 

米国のサイトなどでは、Pawn shop(質店)などでドレスやブラウスの中古品を安価で入手するか、新品ならばCheap(安物)なものを買いましょうと紹介し、血糊インクや泥で汚したり染めたりしましょうと、ゾンビドレスの作り方まで解説するところも多数ある。綺麗なつるつるサテンのドレスだって、情け容赦はない。

ゾンビドレスの作り方としては、切り裂くことはもちろん、自ら着用して地面の上を転げまわったり、車に轢かせたりすることもある。無傷だった中古衣類が、一時的なイベント参加のために汚損破損されていく様子はなんとも胸が痛む。

 

この風習が昨今日本にも持ち込まれ、各所で話題になっていることはご承知のとおりである。日本では、特に地色の白いものが血染めにする衣装に選ばれる傾向があるようだ。たとえば、ホワイトウエディングドレスやナース服、白いセーラー服やブラウスなどである。Halloweenの時期になると、ネットフリマなどで、自宅に残してあった出身校のセーラー服やナース服を、わざわざゾンビ用に加工して販売している者も出る始末である。

画像:国内外のサイトから引用



ゾンビパーティ衣装のために、わざと汚され傷めつけられるウエディングドレスたち。シーズンになると、あちこちで似たような光景が繰り広げられる。動画サイトで「Zombi dress」などのキーワードで検索すると、多くの衣類たちが犠牲になっているのが分かる。まだまだ十分に着られそうな衣類たちが残酷な方法で破損・汚損されていく様子を観るのは辛すぎる。

いちどは華やかな場で女性を飾ったであろう華麗なドレスたちが、身勝手な理由のためにドロドロ、ぼろぼろにされる。そして、パーティが終わると、躊躇いもなくゴミ缶に放り込まれるのだ。