供養塔

少なくとも当サイトで紹介した衣類たちのなかで、悲惨な末路を迎えなければならなかった衣類たちの成仏を祈りたい。このほかにも私たちが気付かない所でひどい目に遭わされて果てたものは無限にあるはずだ。何の罪もないのに、人間たちの都合だけで逝ったものたちの冥福を祈って合掌したい。次に生まれてくるときは幸せな人生(布生?)を送れますように。

(詳しい記事はリンク先を参照のこと。画像出典はリンク先に表示。)


航空会社客室乗務員(CA)の旧制服は、悪用を防ぐためすべて回収される。CAに足蹴にされる制服たちの気持ちを思うと胸が痛む。

コインブラ大学の制服は、卒業記念に切り裂かれていく。黒いスーツの上着やスカートやブラウスの布切れが散乱する。



久しぶりにタンスから出された高校制服は、大人の宴会芸の衣装に使われる。長いあいだ保管されていたのは良いが、これを機に処分されるかも。

長いフレアスカートで自転車に乗ってはいけない。巻き込まれてボロボロになることぐらい予測できなかったのか。スカートは一瞬で再起不能。



卒業して不要になったらポイ。制服たちがその先でどのような最期を遂げるか考えたことがあるのか。

回収されたCA制服は様々な形でリサイクルされるが、細かく粉砕されるまでが生殺しで地獄の時間だ。



制服窃盗の犯人が捕まって、一堂に並べられた制服たちの惨めな様子と言ったらない。しかも生徒に戻されても気持ち悪がって二度と着られることはない。

たった一日の卒業式のため、きまぐれで記念刺繍が施されても、式が終わったら用済みだ。下級生へお下がりされることはあり得ない。



廃墟にときとき残される制服たち。夜逃げに制服は要らないとの判断で置き去りにされる。廃墟マニアはこうした衣類にはあまり関心がないらしいが。

衣類を処分するときはせめて安楽死させてやりたい。ゴミとなっても不法に投棄されると、いつまでも惨めな姿をさらすだけだ



案山子に着せられると太陽に焼かれ、風に吹かれ、雨にまみれても誰も助けてくれない。真夏でも冬服がさらされ、夜は真っ暗闇の中で過ごす恐怖。

衣類でなくても布でできているものがある。たとえば児童愛護旗は、けなげに頑張っているのに報われない。色褪せてくたびれると躊躇いなく交換される。



ドラマや映画はフィクションの世界だが、そこで行われる衣類への虐待は作り話ではない。実際に汚されたり引き裂かれたりする。

画像:TBS『小公女セイラ』2009

セーラー服の可愛いスカーフが固く結ばれ、歴史と伝統の名の下に冷たい雪解け水に流される。行きつく先は焼却処分か。



今朝までクローゼットで休んでいたのに、いきなりゴミ袋に詰め込まれる。焼却場行きと分かっていても、せめてきちんと畳んで入れてあげたい。

か弱い衣類たちが機械の力に勝てるはずもない。何の意味もなく引き裂かれていく姿を、世界中にさらされる。



ゾンビは欧米の発想。ドレスをわざと汚し、引き裂いて衣装とするのも彼らの発想。そして、近年は日本にも持ち込まれてしまった。おぞましいハロウィンの日。

米国にパーティドレスを着てラグビーするというイベントがある。可憐なドレスは激しい試合で最後まで耐えられるはずもない。