記録係の怠慢

映画やドラマの撮影は、シーンごとに細かく分離して撮影され、編集によって見せているものだ。それゆえ、カットが多いと、前後で矛盾するシーンが見られる場合がある。

単純な例としては、先ほどまでヘアをポニーテールにしていた女優が、カメラアングルを変えただけなのに、次のシーンでは髪を下ろしているといったことだ。そうならないように、カットごとに記録係が服装やヘアスタイル、小道具、天候、背景などを細かく記録しているのだが、ときどきおかしいと思えることがある。

 

衣類に関して言えば、先ほどまでコートの前ボタンは外していたはずなのに、次の瞬間はしっかり留めていたり、ジャケットを脱いで椅子に放り出したはずなのに、それがなくなっていたりする。ひどいときは、脱いで腕に抱えていたはずの上着がなくなっていたりもする。細かな話をすれば、汚れたり傷んだりした衣装で、そのシミや裂け目の位置が違っていたりもする。衣装が軽視されている証拠だろう。