おさがり

おさがりと言えば、姉が着ていた服を妹が着るというパターンが一般的だろう。

しかし、私服のおさがりは、本人の好みなどもうるさくなるので、女の子の場合は小学生ぐらいまでだろうか。

 

学校の制服は、幼稚園から高校までおさがりが行われる。姉妹間はもちろん、親戚のほか先輩後輩など様々で、相手が特定されないようなPTA会やリユース業者を経由することもある。

一つの家庭で受け継がれる年数としては、中学校の制服を三姉妹で9年間使ったという例を知っている。冬服のセーラー服は全身テカテカで、カフスのラインも一部取れかかっていた。よく耐えたものだ。

 

中高一貫で同じデザインの制服を採用している学校では、入学時に作った制服を6年間着続ける生徒も多い。おさがりとは異なるが、3年制の学校を2サイクル経験していることと同じになる。このような学校に採用された制服は覚悟が必要だ。

例としては、神戸松蔭、聖心女子学院、土佐女子、武庫川女子大学付属、東邦音楽大学付属などがある。

 

PTA会やリユース業者を経由する制服は、それが何年間使われたものかはっきりしないので、傷み具合で判断される。着用できるものは何年であろうと使い続けられるのだ。

少々の傷は修理してもらえるが、汚れや傷みがひどいと、あっけなく処分されてしまう。前に使っていた生徒の思い出や記憶などは、一切顧みられることはない。

 

母親からのおさがりと言えば、成人式の振袖があげられる。さほど出番はない衣装だが、きちんとケアされないと劣化は早い。

おさがりのセーラー服
おさがりのセーラー服

↑3姉妹に9年間も酷使された中学校セーラー服は、カフスのラインも擦り切れてしまう。